棒読みの歌/岡部淳太郎
 
夏の暑さがまっすぐに降り注いでくる。この
暑苦しさの中ですべてを腐敗させて、振り返
ることのない心を育ててゆく。流れる汗の臭
いとともに、空気が汚れてゆく。この世の混
沌を測るものがないのなら、ちょうどいい。
季節は夏。この夏を放って、この夏を物差し
にして、すべてを計測するが良い。


  ねむれないよるの、ねったいやの、
  わた、わた、わたしの、いしわたの
  ようなこころ、ここ、ここにあるこ
  ころよ、こんやはまた、どんなおそ
  ろしいあくむをみるのか、か、か、
  か。かがわたしのはだをさして、ま
  たねむれない。まくらの、まっくら
  なまくらのな
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   グループ"散文詩"
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