邪な戯れ/陽向(2躯-30〜35)
 
んだ、そんなにいじめないでくれよ

身に纏う、善良な純粋さに疑問を抱いていた、私は、心の奥には、真っ黒な誰もが目を背ける邪悪さがあるように感じる、なのになぜ私は、こうも善良な良い子という宿命のもとにあるのだと。悪魔も魔王も、私には平伏すのではないか、いやむしろ、自分がそのくらいの存在なのではないか。

その日その日を暮らしてゆくうちに、欲望も、邪悪さも、どんどん肥大してゆき、善良さは傷付き、純粋さは、踏みにじられ、私はどんどん周りに気に入られてゆく。

私の心情はもはや、少年の邪な戯れを叱る大人の浅はかな接し方以上の、もっと理不尽で頭を押さえつけて、周りを蹴落として、這い上がってゆく魔物になっていた。
衣はぬがれ、世界に怯える、純粋さは嘘だったのだろうか、善良さは私の心の本性ではなかったのか。

そこには、罵詈雑言も、どんな喧騒も厭わない、本心から穢れた悪人の私が鎮座していた、安心した様子で、これが私だと欣喜した。
  グループ"お真面目の詩集"
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