千年樹 【即ゴル不参加作品】/壮佑
も母音を避けている 樹木は母音に負債を感じている 本当に負債があるわけではない 感じているだけだ それは樹木の生き甲斐となっている 母音にイメージを負債すること それが樹木の転倒したセクシャリティなのだ だから母音は自分を避ける樹木へ子音を射精する それゆえ樹木は星を受胎する
樹木の人がいる 彼は自分が人でもなく樹木でもないと思っている 彼は自分が雷魚だと思っている だが実は彼は樹木の人なのだ 彼はただの樹木ではない なぜなら肋骨から海鳴りが聴こえるから ただの人でもない なぜなら街で獣が吠えているから 彼は舌が青変するから雷魚でもない 彼は樹木の人なのだ
樹木の人は星の狩人だ
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