アイソニアの騎士、立つ(七)/おぼろん
 
クールラントやアースランテといった国家の頸木を逃れること、
それが今アイソニアの騎士のなすべきことだった。
そう。戦争がどう転ぶか、といったことなど問題ではない。
今はイリアスの一身だけを案じていれば良かった。

それが、この世界の理に反することだったとしても、
アイソニアの騎士はただ一人、イリアスの生だけを救わなくてはいけなかった。
アイソニアの騎士は、盗賊ヨランに向かって問いかける。
「今すぐアースランテに次元跳躍することはできるか?」

「それは出来ますが……あなたはフランキス様を殺すのでしょう?」
「ああ、殺す。何か間違ったことを俺が言っているか?」
「間違っています! あなたはクールラントの戦士だったはず……」

「今は違う。今はただイリアスのためにのみ、俺は存在するのだ。
 クールラントの行く末など、考えていられる時ではない」
「それではあなたは……本当の悪党(ヴィラン)だ……」
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