挨拶、あるいは悪文修行時代/墨晶
 
只静観してくれ。何だったら達観してくれ。
 概念の四季を統制している毛糸帽と古い黒いコートは毛玉と焦げと穴あきの集成である故に、無縁であるそんなものはアルミホイルの衣服なのだ。
 さあ、ベドウィンと云うわたしは名前だ。伴侶の紙製の手提げ袋は百も存在する。そうとなれば、最早独り還ろう、「故郷=建築物」はいつだって紙とブルーシートなのだから。「感じ」が過充填された胸郭、相似の現在と近過去以上に不誠実な風も紛れもなく独り。畢竟、発言に於いて、すべてのわたしが何かである。駱駝達はそして、家族である他でもない。
 
 
 
   グループ"典禮ノ書"
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