或る夏の日/虹村 凌
 
めん、惚れてた時期はあった。
順番としては、Aより先に知り合っている。




一昨年の夏、俺はYに会うべく、夜行バスのチケットを予約した。
この頃俺は、既にアトピーを患っており、実家で療養して過ごしていた。
東京の病院に行く度に、Aと会って、楽しい時間を過ごしていた。
予約したチケットを取りに行った日は、丁度七夕だった気がする。
Aが浴衣を着ていたのを覚えている。
Aの連れ(Aの彼氏では無い)とも会う予定だったが、
高速バスが遅れた為に、Aにしか会う事が出来なかった。

俺はAと会い、散々遅刻を罵られた上に。悦楽を感じていた。
「跪けよ虫けら!」とは言われないまでも
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