やわらかい にく/虹村 凌
 
むずかしい詩は
よく理解できないよぅ
きみが噛みくだいて
風邪をひいたぼくに
くち移ししてくれた
かたかった肉みたいに
やわらかい詩なら
ぼくは嬉しくなってしまう

目玉からげろをはくくらいに
さいきんは忙しくて
べんじょに向かってつきだした
けつの穴のような口からは
ついつい弱音ばかりでてしまうけれど
ぼくは大丈夫だよ
うん
きこえるかい?ぼくの声が


ねぇ
すこしだけ聞いてくれないかな
ねぇ
ときどき思うんだ
ぼくの大事なともだちがしぬくらいなら
ぼくが代わりにしんでやりたいって
なにより大切なやつらだから

ぼくの国では
じさつする人
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