イエスタデイに歌われて/虹村 凌
 
埃だらけの夜道に座り込んで
煙草の先に火を点けました
吐きだした煙も
イエスタデイを戻してくれない
煙草を放り投げて
行く道を決めようと思います
煙草は
くるり くるりと周り
赫い火と僕の目が合ったのです
缶コーヒーを買う事にしました
煙草はまだ余っています

***



暑さのあまりに 夢から覚めた
からり からり
風鈴が鳴る
ひらり ひらり
指先に舞う 濡れた君の乱れ髪
錆び始めたは 遠い昔の記憶紅葉
ゆるり ゆるり
気怠さに問う
ぬるり ぬるり
舌が垂れる
するり するり
君は逃れる
こぽり こぽり
血を吐いたんだ




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