不安−詩想との訣別/……とある蛙
帰宅する
幹線のJRの駅から田舎電車に乗り換え
一五分ほど奥まった田舎の駅
そこが自分の住む家の最寄り駅である。
妻と子が二人、義父母二人
六人が暮らす自分の家だ
自分の父母は随分昔に亡くなった
自分の兄弟も一人兄を残すばかり
ついこの間、他家へ嫁いだ姉が
早々と亡くなった。孫の顔も見ずに
帰る家はほとんど、
自分が成人する前には
馴染みの無い顔ばかりだ。
いや随分と経ってから
見知った顔ばかり
夕食はほとんど食べない
仕事場の近くで食べる
朝食は妻の給仕で一人で食べる。
いつも納豆御飯と味噌汁で
それ以外朝は口にしない
納豆は自分で捏ねる。
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