薄っぺら/アンテ
夜の公園は
虫の声しかなくて
やたら大げさなブランコの音が
理由も訊かずに付き合ってくれる親友
みたいで嬉しくて
でも
ずっとこいでいると
息が苦しくなる
なんにもない一日
薄っぺらい毎日
昨日と今日
の区別がつかなくなって
もうどれくらいたっただろう
昼のあいだ
のことが曖昧で
夜のあいだ
のことだけ考えていたいと思う
窓ガラスの向こう
街明かりが流れていく
アクセルを踏み込む
トンネルを通り抜けるあいだだけ
オレンジに染まった風景が
リアルで
でもすぐに
闇に逆戻りする
行き場がない
って思ってた
どこへ行っても同じ
って
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