『エンジェルエッグ』 卵から始まるはな詩?/ただのみきや
のだ
わたしは改めて
まじまじとエッグを見つめてみた
いつのまにこんなに増えたのだろう
いまやエッグは壁も床も天井も埋め尽くし
わたしを取り囲んでいた
周囲は徐々に狭められて
わたし閉じ込められて行く
ああ天使の合唱 光の明滅よ
まるで青い卵の内側にいるようだ
なんという安らぎか
突然エッグが一斉に割れた
否 口を開けたのだ
数えきれないほどの黒い触手が
絡みつき 包み 覆い
なにもかも薄れて――
――わたしも
エッグになるのか
《エンジェルエッグ:2015年5月16日》
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