ぺんぎんの浪費癖/りゅうのあくび
 
ほとんど同じ
服しか着ないのに
ストレスが溜まると
服の買物へとはしる
ぺんぎんがいる
広い海には百貨店があって
青空を飛べないぺんぎんは
翼を使って海を泳いでいく
飛べないことを
まるで悲しむように
大空を翔る翼を
買物できないからと
想っていて

角部屋にある
クローゼットのなかには
着ることのない服と
持つことのない鞄と
履くことのない靴で
いっぱいになっていて
ぺんぎんは嘆いている

もう絶対に買わないと
口ずさみながら
今夜もまた宅急便が届く
ぺんぎんの住まいには
ネットショッピングで買った
雑貨が届いている

ほとんど南極では
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   グループ"彼女に捧げる愛と感謝の詩集"
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