準急列車が出発します/そらの珊瑚
 
日曜日の朝風呂は
どこか わくわくとして後ろめたい
隣のおばさんがそろそろパクチー(犬です)を
散歩させる時間
湯気でくもっている気配の浴室の窓をちらり見て
一体誰が入っているのかしらんと思うかもしれない

ご主人かしら
昨晩はだいぶ遅いお帰りみたいだったし
お隣のことなんて
どうでもいいんだけど
パクチーが吠えるから眼が覚めちゃって
ご近所迷惑よねえ
でもねパクチーはおバカじゃないのよ
ただちょっとだけバカ真面目なの


まさかおばさんは一家の主婦である私が
バブの泡に包まれて
今のうのうと風呂に入っているなどと
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   グループ"「詩人サークル 群青」課題作品"
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