ロックシティ・オブ・ザ・デッド/ゴースト(無月野青馬)
 


人形使いは常に
獲物を探している
街から町へ
村から村へ
如何に辺鄙な所だろうと
確実にマーキングされている
あの人形使いには
およそ
死角というものが存在しないらしかった


蜘蛛の糸の罠のように
張り巡らされた監視網
気付かれてしまったら
誰だってお仕舞いだった
獰猛な肉食獣の顔は
ギリギリまで隠して
どんな相手にも近付き
柔和な声を出し
獲物を捕らえるのだ
甘いフェロモンを嗅がせて
「安らかに眠れ」と言うのだ


人形使いとの接近戦は
「私」が(「彼」が)
初めて
「マスター・オブ・パペッツ」を聴いた瞬間に
“アンダーテイカー”
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