寛ぎはじめた九月/
小池房枝
月からの距離真っ直ぐに落ちて来て月光電信柱に砕ける
空の底私たちへと降り注ぐ月日星総て堕天の光
雲の上で遂行されつつあるらしい夕焼けが気配だけで残念
熱風がやっと普通の風になって薔薇のそば薔薇の香りが動いた
虫の音の満ち潮に乗ってオリオンが漕ぎ寄せる九月ちりりちりりり
ゆうべ君が琴座のあたりでヒットした火球を見ましたマイナス5等
翼だけの大きな鳥の姿して天高く秋が渡って来ました
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