時のこちら側のフェブラリー/小池房枝
 
鎖花じゃないのにスミレ咲かないであたたかな虫の出る日を待ってる
 
ひやひやと雪の匂いの雨の日に寒くてもやっぱ図書館行きたい

 
ハルサリよ一日のみの蜉蝣よヒトも地球のエフェメラルだろう
 
妖精のようなそれとも青い石の名前のようなルーリン彗星

おおいぬのふぐり一面真っ青に咲いてたくさん実をつけなさい
 
真っ青な海をセピアにかえようとイカたち集って墨を吐きました
 
メデユーサの髪の蛇らも春までは眠れ静かな歌を聞きながら
 
寒の戻りお花は急に止まれないヒヤシンスもう咲き出しちゃってる
 
サザンカは去年の秋から咲いていてまだ咲いてるけど春に紛れた
 

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