【 カマキリの災難 】/泡沫恋歌
 
キリの仲間に会ったら

「おれなあ、今日、大空飛んだんやでぇ」
「マジか? 俺らの仲間ではお前が初めてや」
「そや、凄いやろ」

カマを構えて自慢しているに違いない

     *

華麗に飛べない昆虫カマキリが
初めて蝶々やとんぼのように空を舞った
これは進化の記録として録って置くべき事実だ
たぶん 今日からカマキリは
空を飛ぶための進化のスイッチが入った筈だから

3百万年後の地球の大空を
カマキリが優雅に舞っていることだろう

その頃 カラスは飛べなくなって
鶏みたいに地べたを這っている
そして 王蟲(オーム)のように
巨大化したダンゴ虫に踏み潰されるのだ

ざまあみろ!

無邪気な午後のひと時と
アホな妄想でした――

                      
                              2012/011/09

   グループ"愚詩 = 愚痴"
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