王の突起物/シリ・カゲル
アラジンの石油ストーブを
幾度目かのオーバーホールに出しながら考える
うちらがセックスをしなくなった理由。
笑顔を依頼された
王が
各地を巡って
拮抗する賛成派と反対派の
籤によって定まる未来。
健常者たちのささくれ立った
幸福度、と等価交換で入手した
サイリュームを振り乱し、サビの部分で合唱する
障害者たちが躍動する。
スボルメのパーカーのポケット
セックスをしなくなっても
そこにはまだ。
タジン鍋の売れ残りで王の一行をもてなす
地産地消の旗印の下で
作られる大量のクスクスは
手間がかかっている割には
突起物が足りない。
何度目かのサビのところで
任官間
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