ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで/るるりら
魚編の漢字が好きだ
目から鱗という言葉が好きだ
逆鱗に触れるという言葉が好きだ
そして わたしの言葉を読んでくれるだろう そんな あなたが好きだ
回遊する魚のように
回して読む 寿司屋のお湯飲み茶碗のように
わたしの世界の温度を確かめるように
わたしは 今日も あなたに届く言葉を さがす
活字にならないで回遊している私の詩のようなものを
あなたに これは 詩集にしたいと 言ってほしい
わたしの本に名をつけるなら「回遊魚」という名前が似合うといった人がいた
言葉が私を水を得た魚にしてくれますようにという
それは 祈りだった気がし
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