黒潮鉄道/伊月りさ
 
繋がって
また
諦めた
歯がゆさで
ワンマン電車が走っていく

わたしの
肯定を知りたい

たくさんの競争心を
おぼえたふりをしていたらしい
甘やかされている時間にはふと
だれかを助けたくなる

  捨てた/捨てられた
  桂浜の石ころが本当にきれいでした
  きっとくだけてうまれた
  わたしの/わたしたちの色が波に洗われて鮮やかになる
  むき出しで塩辛いまるみ
  いくつかをあなたに持ち帰る

裁断する走行
きみたちが肯定されていくので
快活さだけが切り離されて
山の斜面に貼りついて

わたしが南下している
眠くなるような鈍行が
わたし
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