言葉へのコラージュ/草野春心
 
いた
  ぱらぱらとページをめくり
  所々に落書きを残し
  何かを小さく囁いた後
  声をたて子どものように笑った
  ……やがて
  私が辞書を閉じると
  硝子窓の先に広がる青空が
  こう言うのが聞こえた
  ……
   わたしは
   あなたの
   無数の眼球だ
   わたしはあなたの手だ
   わたしは風を流れている
   鳥を飛び
   光の粒を舞い
   すべての歌に響く
   蒼い滝の豊かな飛沫だ
  ……
  私の眼球は
  一つ一つ
  透明な涙から零れ
  青空へ続く
  大理石の階段が
  私の足を昇っていった


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