かげの子ども/
中川達矢
影をどこかに落としてしまった
はだかで銭も持たずに
どこで何をしているのだろう
夜になればお腹をすかせて
この騒がしいあしもとに帰ってくると
淡い希望をよそに
よその影と交わり合い
自立した影のあしもとに
それはそれは
親によく似た子どもがいた
前
次
グループ"10行詩"
編
削
Point
(7)