三分の一の世界/
中川達矢
下をうつむいて歩けば
六〇度の世界が失われ
三分の一の人間しか享受できずにいる
足は全身を使って地面をたたき
腕は肩につかまって行ったり来たり
お腹が減る
目線を縛らせるのは雑草か
明日の天気は靴に聞け
からだの震えでつくられた
上向きのエネルギーが視野を明るくする
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グループ"10行詩"
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