へやのそうじ/中川達矢
へやのそうじをすると
どうしても過去と決別しなければ
綺麗にはならない
空白を求めて
すきまとすきまのすきまを
すいすいと箒をおどらせ
過去の塵をはいていく
ほこりはずばり過去そのもので
前回の掃除からの守り神
それでも
かくれんぼのほこりは
いつまでもほこりにもなれずに
未確認不飛行物体
したことは覚えてないけど
されたことは覚えているなんて
よくある過去すらも
見つからなければ
それは過去として認識されない
そうじと言っても
見えている過去との決別
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