擁く/草野春心
 


  他にやり方はあったはずなのに
  言葉でもよかったのに
  きみは擁(いだ)くことを選んだ



  他に道はあったはずなのに
  きみの肩ごしに
  山並みは夕日に映え
  砂埃が舞う道のそばを
  色づいた川が流れ
  まるできみのかなしみが
  そこを通ってきたかのように



   グループ"春心恋歌"
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