たそがれ/
草野春心
さびしいことを言ってくれ
秋の幕がひかれるころに
紅葉色のセーターに袖をとおして
氷雨の似合う 唇のような瞳(め)をして
かなしくてたまらなくなることを言ってくれ
最後の歌をうたってくれ
たそがれどき、町のはずれで
ぼくたちがいつも 思いだそうとしていたやつを
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グループ"春心恋歌"
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