たそがれ/草野春心
 


  さびしいことを言ってくれ
  秋の幕がひかれるころに
  紅葉色のセーターに袖をとおして
  氷雨の似合う 唇のような瞳(め)をして
  かなしくてたまらなくなることを言ってくれ
  最後の歌をうたってくれ
  たそがれどき、町のはずれで
  ぼくたちがいつも 思いだそうとしていたやつを



   グループ"春心恋歌"
   Point(7)