砂/草野春心
 


  夕がたの田舎道を
  きみの車で走っていたとき
  ステアリングをつかんだまま
  きみは溶けてなくなってしまった



  遠くには海がみえた
  少なくとも、海のようなものが
  砂のにおいもした
  砂に においがあるなんて
  ぼくは それまで ぜんぜんしらなかった




   グループ"春心恋歌"
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