砂/
草野春心
夕がたの田舎道を
きみの車で走っていたとき
ステアリングをつかんだまま
きみは溶けてなくなってしまった
遠くには海がみえた
少なくとも、海のようなものが
砂のにおいもした
砂に においがあるなんて
ぼくは それまで ぜんぜんしらなかった
前
次
グループ"春心恋歌"
編
削
Point
(3)