midori/草野春心
 


  銀鮭の
  苔かおる底を、
  小河らの肌がすべる 春という時に
  生きることができてよかった

 
  灰色の水に 憶えている
  歌の果てに燻る 哀しみの螢火
  耀きの緑と さざめきのなかで別れた
  あなたという女(ひと)を、春という時に
  抱きしめることができてよかった
  


   グループ"春心恋歌"
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