恐怖/
草野春心
バーガー・ショップの狭いテラス
台風のあとで椅子が倒れている
ケチャップでよごれた君の唇
文脈を外れた一行のごとく
包み紙はテーブルをこぼれて落ちる
恐怖
振りむくとそれはそこにある
ざわめきもせず夏の草が
地の中の養分を吸っている
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グループ"短詩集"
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