純白恋夢 ‐?‐/愛心
昔々の物語。
僕は白い翼を持ち、一国の姫君に情念を抱いていた。
無知で、純粋で、下卑た、燃え上がるようなその想いの先には、結ばれる筈のない主。
僕は、人間の姫君に飼われた、その羽根の純白だけが取り柄の、一介の小鳥だったのだ。
天井から吊るされたドーム型の鳥籠で僕は姫君を見守り続けた。
彼女はお父上の命令なのか、自分の部屋から殆ど出ることはなく。
小さな小窓から、眼下に広がる美しいのどかな街並みを眺めたり。
女の嗜みだから。と、刺繍をしたり。
僕を無邪気な子供の様に、その綺麗な細い指の上に止まらせたり。
まだ幼い少女の頃から。
姫君だけにしては広すぎるその
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