噛んだ皮/花形新次
あなたはもう忘れたかしら
赤いトランクスするする下ろして
あなたの桃色パンティーもするする下ろして
「一緒にいこうね」って、言ったのに
いつも私が、いかされた
余った皮には歯形がついて
小さくなった私の魚肉ソーセージ
普段よりも一層貧弱になって
あなたはとても呆れた感じで
「早すぎるね」って、言ったのよ
若かったあの頃
何も怖くなかった
ただあなたのテクニックが
怖かった
あなたはもう捨てたのかしら
24色のクレパス買って
私が書いたあなたのクレバスの似顔絵
「えーっ、こんなグロテスクなのーっ!」
やっぱり今日も噛んだ皮
4LDKの小さな下宿(バブル期に不動産王だった親父さんにおねだりしたんだったね)
あなたは私の先端見つめ
「悲しすぎるね」って、呟いたのよ
若かったあの頃
何も怖くなかった
ただあなたのテクニックが
怖かった
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