岸部のアルバム/花形新次
たったひとりでも生きて行ける
そんな強がりを言わないと
孤独に押し潰されそうで
雨は視界を遮るほど激しく
決して止みそうもなかった
ああ
ルックルックとは言わないけれど
せめて西遊記ぐらいにもどれたら・・・
心の隙間を埋めるのは
いつも懐かしさばかり
それでいいのかい?
シロー、このまま終わっていいのかい?
いいわけないさ!
誰かが叫んだような気がした
ジュリーのサイドを固めていた日々も
頭のお皿が輝いていた日々も
日テレの朝の顔だった日々も
すべて一冊のアルバムに閉じ込めて
増水した多摩川に
そっと浮かべる
「思い出よ、さようなら」と
小さく呟きながら
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