志村けんのかほり/花形新次
白鳥の首が股間から突き出た
志村けんほど
清しいものはない
はじめて出会ったのは35年前です
ためらいがちに
荒井注の代わりに
加入した途端
あっという間に
人気者になり
加藤茶が
いつの間にか
二番手になりました
年端もいかない子供たち相手に
下品なギャグで笑いを取っていく
いっちょめ いっちょめ ワーオ
いっちょめ いっちょめ ワーオ
つまらないなんて今だから言えるのです
それは自己欺瞞に他ならないのです
「あのとき確かに
志村けんが好きだった」
そう言い切ることを
僕はどうして惜しむだろう
前 次 グループ"パロディ詩"
編 削 Point(2)