初夏、慕情/
はるな
つつじから蜜を吸いとる口元が こぼれるようにあまく光った
胸もとはこぼれる花弁の花水木 火照る頬には蝶々が咲く
風が光れば花たちは咲き笑い きみが笑えば空が高まる
日ごと濃くなる緑と空 日ごと濃くなるぼくのもう赤い劣情
くちびると指先に赤をともした君花のようには枯れてゆかない
前
次
グループ"ちりぬるを"
編
削
Point
(7)