気晴らしのための下絵(2/瑠王
じゃあさ、とりあえずこの山を登ってから死のう
それで頂上に着いたら生きてよかったって一度だけ死のう
蔑んだり後悔したなら、それらのピリオドとなって死のう
じゃあさ、朝日が映っちまった瞳の中で死のう
それで春が来る前に、まっ先に死のう
灰だらけで死のう
その時で、死のう
林檎の木の下で死のう
生まれてくるもの、のために死のう
この一杯を最後に死のう
駆け抜けたなら、潔く死のう
炎が揺れたなら
水が湧いたなら
風がしめすなら
小さな手の鳥
たった一度だけ
ちょっと待って
ほら、音
ソソ
ファファファファファファ
ミ
ド ド ド ド
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