『近づく鉄塔と廻る鳥たち』/岡崎師
 

「着いた先に光ってる。鉄塔が傾いで
 浮かんでいる。鳥鳥が周囲を廻って
 声を響かせている。囁き、喚きなが
 ら、しろいそらをふるわせる、ぼく
 はその中に混じる。ぼくだけ色が白
 く、目立っているが、あなたは、気
 にしないようだ。海が見える、尖っ
 た波が、押寄せる。音が聞ける、重
 なった光が見届けられる。空と重な
 る太陽が、鈍く光り霞行く。ぼくは
 斜めになってゆく世界の最い果てで
 声にならない小さな声で叫びいく。」
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