【批評祭参加作品】西瓜割りを見物する人の群れ(詩における批評の風景)/角田寿星
ひとつである、と思います。作者さえ「うーん、どうしてこんなの書いたかなあ」なんて言いやがることしばしばなので(在りし日の西脇順三郎センセが自分の作品を語る時よく言ってましたわ)、批評する側は、自分で答えを創作しながら論を組み立てていかなくちゃいけない。それだからこそ面白いんだ、という人もいるでしょうが、やっぱり普通の人にはしんどいことです。近い分野では音楽かな。演奏に関してはさまざまなジャンルでコンテストが盛んですが、曲そのものに対しての批評は―コード進行だとかセリエリズムとか構成とか批評に役立つ材料があるにしても―詩と同じく感覚的なものがかなり入り込むだけに、難しいと思います。
もしかすると詩
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