批評祭参加作品■鏡の詩「フィチカ」/Rin K
もいれば、そのときの私のように「厳しい」と感じる人もいる。フィチカの「雨」は雨なのか、それとも何かを象徴しているのか、それも人によって捉え方が異なる。また、読み手のそのときの心の状態でも表徴を変えてみせるだろう。現にこの散文を書くにあたり、再度読んでみたところ、今度はおだやかな表情を見せた。
「鏡の詩」。それに映された自分自身の心を感じることも、詩の楽しみ方の一つであろう。
ルナクさんの詩は「詩人の詩」ではなく「歌人の詩」だ、と思う。それはリズム感の問題だけではなく、言葉の響きに大いに関係がある。「フィチカ」これは空想の国の名である。実は、投稿される前に初稿を見せてもらっていたのだが、
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