批評祭参加作品■いま詩を書くということ/岡部淳太郎
はどうしてなのか。
私は妙なことにこだわっている。どうしようもない原理的なことを覆せないからといって、子供のように駄々をこねている。おそらくそれだけのことなのだろう。だが、そう思って納得してはみても、まだ承服しきれない何かが残る。それは何なのか?
二十五年にも渡って詩を書いてきた。書けない時もあれば、書きすぎるくらいに大量に書いたこともあった。その結果の二十五年。それがこの程度のものでしかないのはわれながら恥ずかしい限りだが、とにもかくにも詩を書いてきた。最初は自己流で気ままに書き始めたのが、次第に意識的に書くようになってきた。「現代詩」や「近代詩」と名づけられた先行詩人たちの詩を読み漁り
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