散歩から帰ってみると 玄関のまえに誰かが立っている――釘男(くぎおとこ)だ かれは左手に鴉の屍をぶらさげ それを五寸釘で扉にうちつけた (「1」) わが家にたどりつくと玄関のまえに 待ちうけていたように釘男(くぎおとこ)が なんにもしなかった一日を祝福するように 穴のあいた片手をあげるのだ (「4」) [次のページ] 前 次 グループ"第3回批評祭参加作品" 編 削 Point(1)