批評祭参加作品■走るレプタイル/石川和広
だろうと思った。こないだ森進一が歌う「ラブイズオーバー」を聴いて、これはソウルミュージックかもしれないと思った。こぶしを利かすのではなく一言一言切るように切り裂くように語りかけてくるその様子は素晴らしかった。歌は、どうしようもない、ろくでもない境遇のそばにいる。普通にはそうおもわれていないが村上春樹のジョギングだって、そのようなやるせなさの中で生きていくひとつのあり方である。
2007.10.27初出(後部分的に改稿)
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