■批評祭参加作品■日本の詩における韻律の歴史/岡部淳太郎
 
四行目の「くびがでしやばる、」までがAパートであり、つづく三行がBパート。そして最後の五行がAパートの変奏となっている。〈A・B・A〉という形式でリズムを作り出しているのだ。歌でコーラス部分を繰り返すのにも似ていて、こういう形式は中原中也などもしばしば使っている。
 萩原朔太郎が現代詩の祖先だとするなら、現代の口語自由詩というものがその影響から逃れられないのは当然だと思われる。萩原朔太郎が「口語自由詩を確立した」と言われながらもその詩から韻律を完全に排除したわけではないのだから、現代詩にも韻律は生き残っていくことになる。


一篇の詩が生れるためには、
われわれは
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
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