■批評祭参加作品■ Poor little Joan!または視点についての雑感/佐々宝砂
 
dunit = Who (had) done it)=誰が犯人か、
ハウダニット (Howdunit = How (had) done it)=どのように犯罪をなしとげたか、
ホワイダニット (Whydunit = Why (had) done it)=なぜ犯行に至ったか、

の三点のどれかに絞られるのが普通だった。謎が一つではなく複数のこともある。しかしいずれにせよ、視点は、多くの場合被害者または探偵のような第三者にあった。

しかしミステリという分野が成熟するにつれ、さまざまな叙述法が現れた。たとえば視点が犯人にある倒叙という叙述法。視点が犯人にあるのだから、WhoもHowもWhy
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
   Point(10)