■批評祭参加作品■ピラミッドは三角か?/岡部淳太郎
違った感想をもらす者が出て来ることも充分にありうることであり、その際、作者は自らの「この作品は三角形である」という観念に囚われることなく、同じ作品の「四角形としての側面」を素直に傾聴するべきであろう。よく言われることであるが、作者は作品を公表した時点でその作品について余り多くを語らない方がよい。多く語りすぎると、作者がつくり上げた意図を読者に押しつけることになり、それは作品そのものが本来持っているはずである「読みの多様性」というものを読者から奪う、いわゆる解釈の押しつけということにもなりかねない。それは、作品にとっても作者にとっても、とりわけ読者にとって、大変不幸なことであるといえる。
たとえ
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