■批評祭参加作品■詩の読み方について/岡部淳太郎
 
においては、やはりいささか古めかしい。
 では、私が考えた「散文は動画であり、詩は静止画である」という定義に基づいて詩を見るとどうなるか。動画とは映画やドラマなどの動く絵のことであり、静止画とは写真や絵画などの止まっている絵である。静止画はその名のとおり静止している。たとえば、ここに一枚の絵画があると仮定しよう。画面の手前に古びた門があり、その奥に一本の道がまっすぐにつづき、その先には形の良い山が空に向かって聳え立っている。もしこれが一篇の短編映画のオープニングシーンだとしたら、観客は当然そこからつづく映像を期待するだろう。ひとりの人間の視点を借りたカメラがゆっくりと移動する。山に向かってまっす
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
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