■批評祭参加作品■ 「 ロッカーズの星は今夜も瞬いている 」 〜 Muddy stone Axel .../服部 剛
、世間から外れた場所に息
を潜めているからこそ、「優しい夜の静寂」に耳を澄ますことがで
きるのだろう。心身共にボロボロになっていく日々の夜の底で、彼
は一握りの希望を掴もうと伸ばして開いた手のひらの先に、幻の青
い花を見ていた。幻の青い花は、詩人に沈黙の声を囁き、彼は自身
の詩の言葉で世の罪や人間としての自分にも宿っているの罪が贖(あがな)わ
れることを願った。彼が生前残した唯一の詩集「REDEMPTION SONGS
(贖いの詩)」という題は、彼の詩人としての最後の望みが託され
ているのであろう。アメリカン・ブック・ジャムの臨時号に掲載さ
れている「SAINT OF ME」とい
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