■批評祭参加作品■ 「 ロッカーズの星は今夜も瞬いている 」 〜 Muddy stone Axel .../服部 剛
 
段見せなかったもう一
つの顔であり、一遍の詩の中で、繊細な心で呟いている彼の顔であ
った。 
 僕が最後に彼と会ったのは、彼がこの世を去る1ヶ月ほど前だっ
た。オージャスラウンジで出演者が控える隠し部屋のような暗い一
角のスペースでソファーに腰掛けているとMuddy Stone Axel は姿
を現し、「わかりますか?」と自分を指差す僕に、「おぉ、はっと
りごうか」と思い出してくれて、握手をしたのが最後だった。 

 詩集「REDEMPTION SONGS」は「RAMBLING IN THE RAIN」という
詩で終わっている。僕は今、インターネットで彼がこの詩を朗読し
てい
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  グループ"第2回批評祭参加作品"
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