詩想 ?3/黒乃 桜
 
に何でも良く出来るのね!』

そう、だから何も持ってなかったんだ。
だけれど欲しいと願えば願うほど、それは嫌悪の目で見下ろし
どんどん隅へと追いやられる。


「はあっ・・っはー走ったぁ」

何故か腕を掴まれたまま全力疾走され、一緒に走るハメになった由夜は
ぜぇぜぇ息をしている相手を、運動不足だな。ありゃ、なんてどうでも良い事を思いながら見ていた。
自分は別に運動不足じゃないから、平気だけど。

「・・あんた、何してんだよ」

はあぁ、と深い溜息を零して言った。
相手は未だに掴んだままだった腕を、ごめんね、と言いながら放して少し俯きがちになった。
まさかこんな形で
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