詩想?4/黒乃 桜
の世が思ってるよりファンタジーだったとしても、本当にそう思うのだ。
由夜は、はあ?、とちょっと呆れたような顔をしてこちらを見た。
「だって、死んでからあんな輝き出すなんて」
流音はこちらを見ている由夜を見て、苦笑を零した。
少し目を逸らされたような気がしたけど、そんなのどうでも良かった。
「今は輝いてねえのかよ」
由夜が呟く。
ふ、と風が吹いてピアニッシモの香りが頬を掠った。
「電球じゃないんだから、輝けるわけ無いじゃん」
人間なんて、どちらかというと虫だ。
電球に、群がる虫だ。
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