詩想 ?7/黒乃 桜
 
伸ばしをしまくってよれよれになった
白いホースを手に取り黒い笛のような部分を口に含んだ。
そして先ほどの楽譜を片手、鍵盤に片手でまた一つずつ読みながら鍵盤を押していく。
綺麗、とはいえないが懐かしい音が部屋に響いた。
暫く真剣に弾いて、ようやく下の段に移る・・というところでハッとなった。
自分は一体何をやっているんだ。良い年して、鍵盤ハーモニカって・・。
慌ててケースの蓋を閉じて、両手を顔で覆いため息を零す。

「馬鹿じゃねえの・・」

誰も見てないのに不思議と赤くなる頬をぱちぱち叩いて
床に寝転がり、走り書きされたルピナス、という文字を追った。
どういう意味なのか、よく分
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